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11月3日は、文化の日。
万葉学者の中西進さんが文化勲章受賞の報、 おめでとうございます。 朝日新聞夕刊の「万葉こども塾」のナカニシ先生であります。 明日香村にある奈良県立万葉文化館の名誉館長でもあります。 高校教師時代の教え子に、エジプト考古学者の吉村作治さん。 リービ英雄さん(法政大教授)は、プリンストン大学時代に 授業を受けていたとか。 それでは、ひとつ万葉集を、と。 先日飲んだ酒「黒牛」万葉の里をちょいと調べてみました。 <黒牛の海 紅にほふ ももしきの 大宮人し あさりすらしも> (巻七・一二一八) 注釈) ・くれないにほふーー紅色に輝く ・ももしきーーーーー大宮人の枕詞。(あの、モモシキを思ってしまうけどw) ・大宮人ーーーーーー宮中に仕える人。高松塚古墳の女性をイメージしてください。 ・あさりすーーーーー漁をする。この場合、アサリをとる、貝拾いをする。 <黒牛の海 紅にほふ> 海が夕焼けで赤く染まっている光景と、 着飾った女官たちの赤い裳のすがたをかさねて歌ってるんですね。 大宮人であっても、一生に一度でも海を見ることができるのは稀だった。 行幸にお伴した女官たちが感激興奮して海辺でキャーキャー騒いでいる。 いやー、テレビコマーシャルのような映像歌ですね。 で、潮干狩りをしてるということは、 この「黒牛」のあたりは浅瀬の海だったのですね。 この海は埋め立てられ、現在、火力発電所や製油所、 和歌山マリーナシティなどが建ってるらしいです。 柿本人麻呂も、黒牛潟を詠んでいます。 <いにしへに 妹と我が見し ぬばたまの 黒牛潟を 見れば寂しも> (巻九・一七九八) 人麻呂は、奥さんと一緒にこの黒牛潟に来たんですね。 その人は今はなく、ひとりで眺めるのは耐えようもなく寂しい。 うむ…、酒が要るなぁ。 犬養孝さん揮毫の歌碑があるのが、「黒牛」の名手酒造。
by kishimoto_hajime
| 2013-11-04 00:11
| 言葉・万葉集
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