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北海道新聞[卓上四季]2015.7.18より
芸能界の「無責任男」の代名詞と言えば、昭和は故植木等さん、平成ならばタレントの高田純次さん(68)だろう▼その高田さんが出演したCMの「5時から男」は流行語になった。仕事そっちのけで夜遊びまっしぐら。バブル期のサラリーマンの浮かれた気持ちを代弁した▼最近は「適当川柳」なる分野を開拓し、緩い言葉に磨きがかかった。「ちゃんとしたコメントしたら怒られた」「父親が年下だって構わない」―。投稿も載せた作品集が人気だという。先が見えにくい現代だからこそ、庶民のストレス発散の薬になるのかもしれない▼もちろん、適当が許されるのはユーモアあっての話。「責任はどうなったんだ」と叫びたいのは新国立競技場問題である。税金を充てる工費が2520億円にも膨らんだときは「わが懐いたまなければ何でもあり」と下手くそな川柳が浮かんだ▼デザイン選考責任者の安藤忠雄さんの言い訳がふるっていた。「頼まれたのは案を決めるまで。私は総理大臣ではない。巨額になった理由を聞きたい」。このままでは、さらに支持率が下がると思ったのか。その総理大臣が白紙に戻した▼結果オーライとなっても、それで済むまい。わが国には公共事業膨張の法則でもあるのか。植木さんの歌う「無責任一代男」を思い出す。<とかくこの世は無責任/こつこつやる奴はごくろうさん>。これじゃ不満は収まらない。 それもそやけど、あっちのほうを先に、白紙に戻さなあかんのんと、ちがう?
by kishimoto_hajime
| 2015-07-18 20:03
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